
アンカー式空積工法の7つのメリット
護岸・擁壁工事において、なぜアンカー式空積工法が選ばれるのか。コストや耐久性、施工スピードなど、主要な7つのメリットを詳しく解説します。
アンカー式空積工法の7つのメリット
アンカー式空積工法は、従来の湿式工法(コンクリートを使用する工法)と比較して、多くの利点があります。 本記事では、特に重要な5つのメリットに焦点を当てて解説します。
①大型重機や生コン車が入れない場所でも施工できる
アンカー式空積工法は、胴込・裏込コンクリートが不要のため、現場での生コン打設をほとんどせずに済みます。 コンクリート資材のひっ迫や、山間部などの生コンプラントから距離があり供給が困難な場所において大変有用です。
また、製品自体が軽量かつコンパクトなので、施工にあたって大型重機も必要としません!
②直高の適用範囲が広い
通常、一般的な間知ブロックが積み上げられる直高は5mまでとされていますが、アンカー式空積工法では直高8mまで対応可能です。
大型積ブロックに対して直接工事費を20~30%低く抑えることができるので、直高5~8mの範囲において、経済性の面で選ばれる理由の一つになっています。
③製造・施工の過程でのCO2排出量が低い
「ラップストーン」の場合、壁体のほとんどが自然石で構成されるため、従来のコンクリートブロックを主体とした構造物と比較してCO2排出量を大幅に削減することができます。
従来型コンクリートブロック積と比較すると、アンカー式空積工法の自然石タイプ「ラップストーン」では約81%、コンクリートタイプの「ラップブロック」では約70%の削減を実現しています!
④美しい景観
現在、全国的に地方の過疎化が問題になっており、各自治体では交流人口、関係人口の獲得で地域の活性化を図っています。 このような意味では、地元の自然風景や歴史的景観は地域の資源として重要な役割を担っているということになります。
地域活性化のためにサービスエリアや道の駅交流拠点、道路整備を実施したとしても、そこから見える風景はとても大切です。 地方都市の風景は、単に「愛でる」ためにあるのではなく、地元の人々が生きていくために欠かせない収入につながる資源と位置付けることができるのです。
「ラップストーン」による擁壁の仕上がりは日本の伝統的な石積みに極めて近く、この大切な資源を守ることに貢献します! 「ラップブロック」も割肌仕上の擬石模様を表面に施しており、同じ模様を探すのが難しいほどリアルな質感が特徴の製品です。
⑤生き物の生息場所をつくる
自然石を川に用いることで、水生昆虫が生息することができ、川は魚をはじめとする多くの生き物を養うことができます。
自然石を積むと必ず隙間が生じますが、この隙間は悪いものではありません! 小魚の休息場所や隠れ家になりますので、生態系全体を支える存在になります。
⑥pHを変化させない素材
環境省による環境基準においてpHが6.5~8.5と定められているように、基準外のpH領域では限られた生き物しか生きることができません。 コンクリートはもともとpH値が12~13の強アルカリ性であり、コンクリートを水中に浸けるとさらにpHが高くなってしまいます。
しかし、自然石はアルカリ成分の流出が極めて少なく、pHを上昇させにくい素材のため、工事による河川環境への環境影響を最小限にとどめることができます。
⑦水質浄化効果
河川には本来、汚濁物質を自然に浄化する自浄作用が備わっています。この作用はとてもゆっくりと、長い時間をかけて行われます。
自然石を活用した「ラップストーン」では、胴込材の割栗石によって、この自浄作用をより高めること(礫間接触酸化効果)が期待できます。 護岸構造物それ自体が水質浄化の機能を持つことになるのです。